先祖代々



先祖代々という言葉がある。

代々って一体どの位なのだろう。  と、ふと考える。

一代の夫婦に二人の子どもができたと仮定する。

今でこそ晩婚は珍しい事ではないが、かつては

二十歳にも成らずして夫婦になるのが当たり前だった時代もある。

一世代を25年とすると、西暦の紀元の頃の先祖は

凡そ、80代前という事になる。

寛永何年とか、天保何年とか、そう聞くと大昔の話で全くピンとこないと思うが

たかだか、6代とか15代前の話なのである。

参考までに、

寛永1年は 西暦1624年、 生きていれば 満375歳。
天保1年は 西暦1830年、 活きていれば 満169歳。


では、寛永元年に生まれた男の子が嫁を貰い、25歳で二人の子どもができたとする。

その子どもが大きくなって結婚し二人の子どもを授かったと仮定する。

初代の子は二人だが、孫は4人であり、曾孫は8人である。

それを15回繰り返すと、

 1代            2人、
 2代            4人、
 3代            8人、
 4代          16人、
 5代          32人、
 6代          64人、
 7代        128人、
 8代        256人、
 9代        512人、
10代      1024人、
11代      2048人、
12代      4096人、
13代      8192人、
14代    16384人、
15代    32768人、

となる。  何孫と言うのか知らないが、

15代もすると3万人を超える子孫ができる事になる。

更に進めると、

16代                65,536人、
17代              131,072人、
18代              262,144人、
19代              524,288人、
20代           1,048,576人、
21代           2,097,152人、
22代           4,194,304人、
23代           8,388,608人、
24代         16,777,216人、
25代         33,554,432人、
26代         67,108,864人、
27代       134,217,728人、
28代       268,435,456人、
29代       536,870,912人、
30代    1,073,741,824人、
31代    2,147,483,648人、
32代    4,294,967,296人、
33代    8,589,934,592人、
34代  17,179,869,184人、

30代で1億人を超える計算である。  日本の人口に迫る数である。

更に更に続けると、

 50代                     1,125,899,906,842,624人
 80代         1,208,925,819,614,629,174,706,176人
100代 1,267,650,600,228,229,401,496,703,205,376人

の子孫ができる計算になる。  いやはや、桁の呼び名さえもわからない程の大家族である。

発想の逆転で、日本の総人口はとっくに1億人を超えているのであるが、

およそ30〜32代位前を逆算すると、たった2人の愛し合った夫婦だった可能性もある。

32代というと約800年前の話である。  正治1年 西暦1200年 800年前

無論その当時にたった2人しかいなかったという事は考えられないが、

日本の全ての人口がその2人の血を受け継ぐ子孫である可能性は大いに考えられる。

その2人の子孫どうしが夫婦になる確立は非常に高いので、日本の総人口が

途中、戦争や疫病などの為に志し半ばにして命を落とした者もいれば、

子宝に恵まれなかった夫婦もいれば、子沢山の夫婦もいたであろう。


日本の歴史に刻まれている年号は、大化元年 西暦645年 1354年前 である。


年号が残されているという事は文化的な社会があった事を証明している。



(C)1999.2.1 Satoru Saito